Vodafone Europe SIM-Card

 ヨーロッパで常時インターネット接続をレンタルまたは回線使用すると、代表的なもので(以下€1は¥140での概算)

レンタルwifiおよびローミングの価格と通信規制量 (2014年1月末現在)
分類会社レンタル料通信規制開始の目安規制後の通信
モバイルルーター
(ヨーロッパ複数国用)
Global Wifi ¥1,100 / 日400MB / 3日
JAL ABC¥1,150 / 日期間中1GB
Global Data¥1,280 / 日400MB / 3日
Telecom Square¥2,400 / 日記載無し
ECOM¥11,000 / 月1GB / 月×
ローミング docomo 海外パケホーダイ¥1,980 / 日24.4MB / 日×()↓の2に移行
docomo 海外パケホーダイ 2¥2,980 / 日記載無し
docomo 海外1dayパケ¥1,280 / 24時間30MB / 24時間 16kbps
カーレンタル時の
モバイルルーター
(レンタルした国内だけ)
Hertz Mobile wifi
参考リンク
€10(¥1,400) / 日
€50(¥7,000) / 週
€100(¥14,000) 最大
無制限
スペインでは3GB
Avis WI-FI
参考リンク
€8.5(¥1,190) / 日1GB / 日
Europcar WI-FI
参考リンク
€12(¥1,680) / 日無制限
 など、まだまだ割高な感じが否めないし、多少安いヤツは通信量少なすぎ。特に日本国内でレンタルする日割りモノは、最低でも前後2日の移動日分のレンタル料が加わるのでなおさら。
 ここのところ、飛行機で現地に入り滞在国は1カ国というパターンが多かったので、レンタカー屋でモバイルルーターを借りていた(当然ながら、レンタカーを借りずにモバイルルーターだけを借りることはできない)。で、途中のトランジット空港では無料のwifi(通信時間の制限されるパターンが多い)や、最近だとSkype WiFiなんてのも選択肢のひとつではある。
 それでも、これらと比較して安いのが、プリペイド方式のSIM。SIMロックフリーの端末も入手しやすくなったので、これを利用すると安く上がる。特に最近、Vodafone.it の Smart Passport が激安(€3(¥420) / 日 500MB)と話題なので、さっそく使ってみる。



Vodafone Europe SIM-Card

2014年7月18日以降、このSIMカードはイタリア国内でのみ販売されるようになり、通販等での入手はできなくなりました。

 まずはSIMカードを手に入れなければ始まらない。ミニ、マイクロ、ナノの各サイズがあるので、使用目的に合ったサイズを選ぶ。
 現地イタリアで買える人は携帯電話屋で買って、身分証明書(パスポート等)見せて、お店で登録、開通作業など。購入後の作業も現地で行う場合は、ここで書いているのとちょっと違ってくるかもしれない。
EMS追跡  ここでは、日本でこのSIMを入手し、ある程度設定してから現地に持ち込むという内容で書き進める。
 日本からは、通販価格AUD37£22USD35€35€39などの中から、てきとーに選びクリック。
 ↑の通販業者の内、前者4つ(mobipassport)の場合は、自分で擬似的なコーディチ・フィスカーレ生成し、SIMカード到着後、その番号と共にパスポートのカラー画像(カメラまたはスキャナ)を送付すると開通作業を行ってくれる。生成したコードは、My Vodafone への登録で使うので、保存しておく。
 後者のeuropasimは、注文後に届くメール(英文)に返信する形で、パスポートのカラー画像(カメラまたはスキャナ)を添付すると開通作業を行ってくれる。この業者は業者自身で擬似的なコーディチ・フィスカーレを生成しているため、やはりMy Vodafone への登録を行うためには、SIM登録時に使用したコードを教えて貰っておく。
 いずれの業者も開通作業の代行料は通販価格に含まれているので、追加の料金は掛からない。
 すると、3~5日ほどして開通内容(電話番号)がメールで送られてきて、8~14日前後でSIMが郵送されてくる(日数はいずれも注文日起算)。

Smart Passport

Vodafone Europe SIM-Card で使用できる料金プランの内、Smart Passport プランを使うと、€3(¥420) / 日 で
Smart Passport 内容
 無料分有料
通話 発信25分€0.29(¥41) / 分
着信25分€0.085(¥12) / 分
SMS 送信50通€0.097(¥14) / 通
MMS 送信無し€0.8(¥112) / 通
インターネット高速500MB--
低速(32kbps)無制限--
が使える。この値段設定は、上記のレンタル等と比べると、爆安。
 ただしイタリア国内(の通信事業者)では別体系となり、€2(¥280) / 日になるが、1日のうちにイタリアと他国(の通信事業者)を移動すると二重課金で€5となる他、通話料の体系も異なる。が、ここでは触れない(^^;(ほとんどイタリア行かないから)
 無料分を越えた(または含まれない)通話やSMSに関しては、基本料金となる。
 500MB / 日というのは、動画をメインで扱わなければ、それなりに安心できる通信量。
 動画を見たりする場合、映像600kbps+音声128kbpsの品質でも1時間半くらいが限度。(600 + 128) × (1.5 × 3600) ÷ 8 = 491,400 KiB ≈ 480 MiB
 規制が入って通信速度が32kbpsに落ちても、昔でいうところの33,600bpsなので、テキストベースのメールだけと割り切れば使えるか?
 各種プランの有効無効を設定するには、My Vodafone への登録が必要になる。
 その他めぼしい利点としては、 使用できる国と地域
  • ヨーロッパ45の国と地域で使える
  • チャージはインターネット上のウェブサイトからも行え、クレジットカードまたはPayPalが使える
  • 最小チャージは€5からで、最終チャージ後12ヶ月間有効 (11ヶ月の有効期間と、+1ヶ月のチャージ可能期間 参考)
  • VoIPの規制がない(Skypeも使える)(まぁ使えない場合はTCP443ポートでも使ってVPN張るだけなんで、それほどのメリットでもない(^^;)


 一応Vodafoneの説明上は、Smart Passportはスマホでのみ接続する場合で、テザリングを使用したり、モバイルwifiルーターで使用する場合には、Internet Passportを使えということになっている。

Internet Passport

€6(¥840) / 日 で 1GBの高速インターネット接続(1GB越えると32kbps)
データ通信用なので、通話やSMSはすべて基本料金となり
Internet Passport 内容
 無料分有料
通話発信無し€0.29(¥41) / 分
着信無し€0.085(¥12) / 分
SMS 送信無し€0.097(¥14) / 通
MMS 送信無し€0.8(¥112) / 通
インターネット高速1GB--
低速(32kbps)無制限--

 この両者(Smart Passport と Internet Passport)の違いを、Vodafoneはどうやって認識しているかというと、ローミング時の通信事業者名とAPN(アクセスポイント名)から割り出しているようだ。
 Smart Passport時のAPNは mobile.vodafone.it、Internet Passport時(とイタリア国内で)は web.omnitel.itとなり、スマホからのテザリング使用時やwifiルーターでの使用時などで、APNが自動設定になっていたりすると、自動的に web.omnitel.it に接続し、€6 / 日プラン(Internet Passport)に切り替わってしまう。なおかつ同日でのプラン切替は二重課金となり、€9(¥1,260) / 日ということになってしまうので注意が必要だ。
 よってスマホによるテザリングや、モバイルwifiルーターでのモバイルネットワーク使用においても、Smart Passportで使用すべきAPN(mobile.vodafone.it)さえ指定すれば、€3 / 日で使えるはず。

Vodafone Europe SIMカードが届いたら

 日本でできる使用前の準備。
 チャージに関しては、電話番号が判明した(通販業者からのメールで知らされた)時点で可能になる。ただし、知らされた電話番号が間違っている可能性も無くはないので、SIMカードが届いて自端末で電話番号を確認してからの方が確実ではある(他人の携帯電話にチャージするのはアホらしいから)。
 My Vodafoneへの登録はSMSを受信する必要があるので、SIMカードが届いてからでないと無理。My Vodafoneに登録すると、残高照会やチャージをはじめ、サービスプランの選択や、前日までの使用明細の確認なども行えるので、本気で使うなら登録すべきだろう。
 日本国内でVodafone Europe SIMカードを挿し、ローミングを許可すると通話とSMSの送信はできないが、SMSの受信は可能になる(ローミング先はdocomoまたはSoftbank)。SIMカードの契約内容と残高にも依るが、モバイルデータ通信とデータローミングも有効にし、APNを設定するとデータ通信もできてしまうので注意。基本料金での接続は€0.02(¥2.8) / KBとなってしまう。
 vodafone.itのサーバー処理能力が低いようで、ヨーロッパが活動している時間中はwebサイトに繋がりづらい。日本から登録作業などする場合は、ヨーロッパが寝静まっている時間帯、日本時間午前8時~午後2時くらいを狙って接続すると、比較的スムーズな処理が期待できる。

自端末での確認作業

 自分が持っている端末 Xperia A(SO-04E)(10.3.1.B.0.256、Android 4.2.2) で、このSIMカードが使えるように、
  • SIMロック解除 ¥3,150也
  • 解除確認
    SIM lock Service info Service Mode コマンド SERVICE
    • コマンド SERVICE *#*#7378423#*#*
    • Service info
    • SIM lock
    • [] Network 0 になっていればOK
    • [x] Network unlimited はNG。

  • root化
  • テザリング時強制接続解除 EDITして書き換え SELECT * /data/data/android.providers.settings/databases/settings.db
    • /data/data/android.providers.settings/databases/settings.db の
    • /global/tether_dun_required を 1 → 0に
    • パーミッションは660、 rw- rw- --- system system
    • reboot

を、行い、一応フライトモードにして電源を落とし、届いたSIMを挿し電源を入れる。
PIN入力画面  SIMにはPINロックが掛かっているので、PIN入力画面が現れる
SIMカードのPIN  届いたSIMカードの裏にあるスクラッチを削ると、PINコードとPUKコードが現れるので、この場合は4桁のPINコードを入力する。
Huawei E586ブラウザ画面 端末の状態 通信事業者選択  とりえずローミングでSMSが受信できるように、いずれかのネットワークを選ぶ。ここでは[NTT DOCOMO]を選んだ、
 しかし、持っている端末では?日本にいるから?もとより確認できない?のか分からないが、電話番号は[不明]もしくは[Unknown]なので、業者からメールで送られてきた電話番号が、このSIMカードに登録されているかは確認できなかった。
 とりあえず、メールで送られてきた電話番号宛てに、Skype等を使ってSMSを送信してみて、それを受け取れるかどうかで判断するしかないかな?日本でいつも使っているSIMを挿して、確認すべき電話番号に(国番号+34も付けて)SMSを送っておいて、SIMを差し替えて電源入れれば、送ったSMSを同端末で受信することもできる。
 今回はSkypeで送ったSMSをちゃんと受け取れたので、電話番号は正しかった。
 基本料金によると、ヨーロッパ外で受け取るSMSは無料なので、今回のように試しに送ってみてもいいし、通販業者を信用して、話を先に進めてしまってもいいのかもしれない。
404はサービス圏外  なお、残高照会用のUSSD(Short Codes)の404、414は、日本では機能しない。

チャージだけする

 購入した Vodafone Europe SIMカードの初期残高は€5しか無いので、実際使うにはすぐにチャージしておく必要がある。
 SIMカードの通販業者もチャージを代行しているが、それだと代行手数料がかかるので、Vodafoneのサイトから行った方がいい。
Ricarica Online 料金チャージのページを開いて、必要事項を記入または選択し Conferma ricarica
メールアドレスの入力は任意。入力すれば支払いの確認メールが送られてくる。
PayPal ここではPayPalを選んだので、PayPalのウィンドウが開く
PayPal認証 一番上の言語設定で日本語を選ぶと、PayPal画面は日本語になる
PayPal支払い 内容確認して 同意してすぐに支払う
チャージ完了 これでチャージ完了。
確認メール ↑でメールアドレスを入力している場合、確認メールが届く。

My Vodafone に登録する

 登録ページから、必要事項を記入していく。 必要事項を記入  ユーザーネームやらパスワードなど。
 メールアドレスには確認用URLが記載されたメールが送られてくるので、すぐに受け取れるメールアドレスを使用する。
 ここでは"秘密の質問"に、"Quele e' la citta' di nascida di tua madre?" (母親が生まれた町の名は?)を選んだ。
 "Ho letto e accetto i termini e condizioni" (諸条件に目を通し理解しました)にチェックを入れないと先に進めない。
仮登録完了  ここで、↑で登録したメールアドレスにURLが届くので、そのURLをクリックして、引き続き登録を行う。
電話番号入力  登録するSIMカードの電話番号を入力
個人情報  名前に名字、そしてコーディチ・フィスカーレ。
 SIMカード登録時に自分で生成した、または通販業者から受け取ったコーディチ・フィスカーレを入力する。スペース無しの16文字。
 Conferma を押すと、二つ↓の画面に遷移するが、ここで自端末にSMSが送られてくるまで待つ必要がある。
SMS受信  海を越えてSMSがやってくる。(SMS受信は無料)
認証コード入力  SMSで受け取ったコードを入力。
 承諾して、Conferma
登録完了  登録完了すると、すでにログインしている状態なので、右上のプルダウンから自分の名前をクリック。
20140203-67.png  この画面から、残高確認やら各種登録、チャージなどができる。
 分からないところは、Google先生に翻訳して貰いながらやるしかない(^^;。
 ↑のチャージだけするでチャージした€5と初期残高の€5、合わせて€10が使える状態。
 有効になっているサービスプランを確認し、必要ならば追加、または無効にする。
 この画面だと中段くらいにある La tua SIM の Servici e promozioni ative の横にある Visualizza をクリックする。
サービスプラン  これらの中で"Soglia Spesa Dati" (データ使用閾値)は、データ通信に費やす月間の限度額が設定されている。初期値は€60なので、それ以上になると予想される場合には、€180や€600に引き上げておくか、限度無しにすることができる(あくまでもプリペイド方式なので、チャージ残高以上に費やされることはない)。
 このリストの中の"Soglia Spesa Dati"の横にある Accedi をクリックすると、限度額の設定画面になる。
月間限度額の設定  限度なしにするには Disattiva をクリック。
 限度額を設定するには、ドロップダウンから選んで Conferma して OK
 変更せずにキャンセルするには Indietro

My Vodafoneアプリをインストール

インストールできません  My Vodafoneアプリから素直にインストールできればいいけれど、たいがいは→のように表示され無理。
APKダウンロード  そういうときはAPK Downloaderに行き、MyVodafoneアプリのID:"it.vodafone.my190"を入力して、ダウンロードしてしまう。
MyVodafoneアプリ  apk単体でインストール。
 ただしイタリア語オンリー(^^;。

端末の設定

 ここも日本でできる。

Xperia A(SO-04E)

 モバイルデータは必ずオフで。
APN設定  APNの設定。[設定]-[その他の設定]-[モバイルネットワーク]-[アクセスポイント名]
 SIMを挿しただけでは、APNが現れないので、Androidの設定例に書いてあるとおりに。
 インターネット用とテザリング用の二つが必要なのかは現時点で謎。
データローミング  現地で使うには、モバイルデータ通信とともにデータローミングも有効にする必要がある。
 ↑でも書いたが、日本国内でもデータローミングを有効にすると基本料金:€0.02 / KBで接続してしまうので注意。

Huawei E586

 とにかく安いwifiルーター。本体¥8,000くらいで、バッテリー(HB4F1)も¥800くらいで入手可能。
 SIMカードを挿していない状態で設定をする。
Auto APN 無効  ルーターの電源を入れ、ブラウザでWeb Management Pageへアクセス(初期設定のままであれば、http://192.168.1.1 USER:admin PASS:admin)。
 [Settings]-[Dial-up]-[Profile Management]で、[Auto APN]のチェックを外し、
APN設定  [APN] を [static] として、mobile.vodafone.it を指定し Save する。
プロファイル設定  [Settings]-[Dial-up]-[Mobile Connection]で、[Profile name]に↑で作ったプロファイルを指定。
 [Automatically connect even when roaming] にチェック。
 イタリア以外の国では、すべてローミング扱いなので、ここをチェックしておかないと接続しない。
 このまま日本国内でSIMカードを挿して、ルーターの電源を入れてしまうと、基本料金:€0.02 / KBで接続してしまうので注意。
 Apply しておく。

 ってことで、とりあえず準備はできた。
 あとは、現地(今回はドイツ経由でスペイン)に行って繋げてみて、さぁどうなるか?ってとこです。 
 Vodafone.it の Smart Passport (使用編)に続く。