'03-'04 CBR600RR用のHRC純正ECUソフトは、ECUにデータを書き込む際に、ECUの機種判定を行っていません。他の機種のECUソフトは、ECUデータ読み書きの際に機種判定を行っています。
そのため、'03-'04 CBR600RR用ECUソフトを使用して、他機種のECUにデータを書き込むと、該当機種のECUソフトでは読み書きできなくなってしまいます(ECU Data Type is incorrect. と表示されます)。
このモードでは、誤って '03-'04 CBR600RR用ECUソフトを使用して書き込んでしまったデータを、該当機種用に初期化(ゼロマップを書き込み)します。この初期化モードではECUの機種判定は行わず、強制的にデータを書き込みますので、間違いなく該当機種を指定してください。
ECUデータの機種判定は、ECUに書き込んだデータを元に行われます。書き込みに使用されるEEPROMのうち最終6バイトに機種コードが書き込まれており、そのデータを元に機種判定が行われます。
ですから、この強制書き込みも、ECUの基準データやプログラム自体(いわゆるファームウェア)には影響を与えることはありません。
HRCから発行されている「Enjoy Sports Riding Vol.32」には、「一度でも'03 Toolにて'05 ECUに通信をした場合は、修復は不可能です。新品を購入または、正常動作しているECUに交換しなければ直りませんので注意して取り扱って下さい。」とありますが、これは下記の点で事実と反します。
所有している'05 CBR600RR及びCBR1000RRのECUに対し、'03 CBR600RRのHRC純正ソフトを使用して書き込みを行い、上記方法で機種コードを書き戻すテストを実施しましたが、各々のECUは問題なく使用できています。